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サードプレイスという場所

Posted: 2017.06.28 Category: ブログ

サードプレイスという場所イメージ1

以前高校生ぶうめらんさんに取材を受けたとき「コーヒー」についてではなく「コーヒー屋さん」について話すテーマがあり、それから少し考えていた事があります。そのときずっと読みたかったのになかなか読まずに放置していたレイ・オルデンバーグのとても分厚い本をはじめてきちんと読んでみたのですが、印象的な箇所がいくつもありました。たとえば「馬鹿がつくほどでかいローストビーフサンドイッチを出す元レスラーの店の話(P.329)---店主がそれこそローストビーフが床にこぼれ落ちるまで「馬鹿のように」べたべた盛るシーンなどに、哄笑しました。

『スチームテーブルが三台か四台あれば、もっと速く客をさばけるはずだ。町の向こう側に姉妹店を出すのも、利益があがる名案かもしれない。牛肉のかけらを床に落とさないように気をつければ、利幅が増えるにちがいない。だがそういうのはチェーン店の発想だ。われらが友は、唯一無二の体験を提供しているのであって、それをありふれたものに変えてしまっては元も子もないだろう』

画一化されたものの正義が振りかざされる飲食チェーンの中にあって、徒手空拳で荒唐無稽なたたかいを挑むローストビーフおじさんの姿は、何かいろいろなものを思わせてせてくれないでしょうか。産業資本の社会構造の内側にあり、だれもが多かれ少なかれ「人や物、情報やお金」を右から左へ流すことで生計をたてている現代、効率化の名の下に推し進められる「ひとつの場所でひとつの事しかしてはいけない状態」(レイ・オルデンバーグ)に対する態度を決める事は、自分の場合、人生のテーマでもあったような気がします。

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