カフェ・アダチ

- 店舗情報 -

8:00 - 19:00 金曜定休

全席禁煙 / バリアフリー

座席数:店内44席

岐阜県関市小瀬1833

0575-23-0539

© Cafe de Gallery Adachi

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コーヒーの中にお寿司の本イメージ1

店主です。

すでに何度かこちらのブログでも取り上げさせていただいている『神田鶴八鮨ばなし』。萬屋町の蕎麦屋さんから読むように言われた本のうちの一冊です。

お客様より、なぜコーヒーの本ばかりの中に、一冊だけお寿司の本が置いてあるんですか?

と聞かれることがあります。

個人的には、この本から、コーヒーの仕事に関する大きな示唆を与えられています。とくに師岡氏の寿司を握る時の技術論は、私個人の抽出技術にもっとも影響があり、折にふれて意識せずにはいられません。お寿司だから/コーヒーだから、ではなく、極限まで磨き抜かれた技術論は、通底します。

また最近は技術の磨き方だけではなく、受け取り方や、後のものへの受け取られ方についての記述箇所がとくに印象がつよくなってきました。読むたびに発見のある面白い本は、とても良いものですね。

神田鶴八 鮨ばなし①イメージ1


萬屋町の蕎麦屋さんから聞いて読んだ本が久しぶりに面白い本でした。東京神田鶴八の店主諸岡幸夫氏が書いた本なのですが、これが滅法面白い本でした。本当に面白い本だったので、ずっと読んでいます。 『「おい、幸夫、ちょっとこっちへ来い」と呼ばれて、「何ですか」って行きますと、お客様がカウンターの前にいらっしゃって、そのお客様のためにお鮨をにぎっているんですけれども、つけ台の上に乗せたお鮨を指しまして、「見てみろ、よくできている」と。お客様は食べるにも食べられないわけです。「よく見ろよ。一日にそれこそ何百とにぎるけれども、自分が気に入ってよくできたなっていう鮨なんて、そんなにあるもんじゃない。よく見ておぼえておけ」 そのよくできたお鮨というのは、はっきり言って、自分の手にしっくり合っていたお鮨なんですね。要するに決まった手順で、自分の思っているとおり、遊びがまったくなくって、無理が全然なくて、言うならばスーッとスムースにできて、(…)つまり、プラスの要因は何もないのですけれども、マイナスをいくら減らせるかというのが、ある意味仕事ですから、そのひっかかるものが何もなく、スーッとできた、ああ、これはよくできているなというのが、まれにあります』 これとまったく同じあらわれ方をしているものを、自分はそれこそ萬屋町の蕎麦屋さんのお蕎麦に感じていました。それを思ったので、この本のとっかかりにそういうことを感じたので、とても面白いと思ったのです。 次第に、いまは自分の仕事がその中にいるように感じています。そのことを、まるで他人を指摘するような気持ちで思い出しました。 コーヒーはお鮨ではありませんが、「プラスの要因は何もな」く、「マイナスの要因をいかに減らせるか」ということがこれほどストイックな形で共通する世界もそうはないような気がします。そしてそれはきっとお蕎麦の世界でもそうなのでしょう。


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