アークプレゼンツさんの「じもと便」にふたたび取り上げていただきました。素敵な記事です。
http://jimotobin.hatenablog.jp/entry/2017/05/26/000000
ひとに記事を書いてもらうこと、それは思わぬことを思い出したりする場面に出会うことでもあります。
たとえばプロバット焙煎機を購入したとき、ようやくひとつここまで来れたという気持ちでしたが、この記事を読んで自分の心理変化を思い出しました。
もともとの性格からいえば、焙煎にどう向き合うかというテーマはおそらくいまのやり方とはまったく違うアプローチが自然でした。焙煎が現在のような形になった理由に対して、自分は規模のこと、お店のスタイルのこと、それとあと、田口護氏のことなどを考えていました。しかし、たぶん、それらはどれも正解ではなかったように思います。
正解につながる理由に近いものを辿るには、やはりもう四年も経つことになるCQIの名簿に登記されることになった出来事を思い出すほかありません。あのころの僕は国籍も違うQグレーダーのヘッドジャッジのような人たちと話すことよりも、時を同じくしてあの場所にいた、大きな会社の焙煎機をさわる人たちの実践的な知性に触れたことがもっとも大きな体験だったと記憶しています。今はもう二人とも辞めてしまいましたが、キャメルさんやドトールさんでほとんどすべてのコーヒー豆を焙煎している人たちとの会話の中から、受けた刺激はとても大きなものだったようです。(しかも彼らは、同世代でした。)
それは「より丁寧に、より柔軟に、より総合的に」という、コーヒーの神様がくちにした言葉に近づくためのヒントにも近く、あのときの方向づけが、いまのお店の歩みと符号しているのは驚くべきことでもあり、いまはなにか自然なことでもあると思えます。