アメリカをまわっていて感じたことは、最新のアメリカのコーヒー事情は総じてSCAAという米国スペシャルティコーヒー協会の理念が強く反映されたものだという事でした。それはコーヒー生豆の品質を等級付けする「カッピング」(テースティング)の評価の高い豆を中心に揃え、カッピング審査の時の焙煎度合から大きくズレずに焙煎し抽出するというものです。
単純なローストカラーの明るさばかり言われる新しい潮流(サードウェーブ)ですが、上記内容は忘れてはいけない留意点だと思います。これらは昨今アメリカのドリップコーヒーに共通する内容であり、もちろん深煎りコーヒーなんてほとんどどこにもありません。
唯一「中深煎り」だったのは「ピーツ・コーヒー&ティー」。多店舗展開する前のスターバックスの創業者に焙煎を教えた、アルフレッド・ピートがはじめたお店です。このお店いまやアメリカの大チェーン、日本で言うコンビニコーヒーのような感覚でしょうか。コロンビアと思しき金属質な酸と焼けた豆の味が、どこか懐かしいコーヒーでした。