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正しく凡庸であること

Posted: 2019.03.11 Category: ブログ

正しく凡庸であることイメージ1

店主です。

VIVOさんの連載原稿、第二稿が校了しました。

これまでブログでは(それこそ)好き勝手に文章を書いていましたが、不特定多数の人々の目に触れる、しかもそれがきちんと編集された形で上梓されるとなると、様々な角度から物事を検証して行く作業があり、どこか倫理的な、明快な気持ちになります。

私はコーヒーについていつも考えてきました。自分の人生を救ったものについて。それはそれだけの意味でも圧倒的にスペシャルなものでしたが、それと相反して本質にあるどうしようもない凡庸さというものに、コーヒーの正体を見ていました。私がカッピングに代表されるコーヒーの概念に最後まで馴染めなかったのもこの「凡庸さ」に素因があり、そしてこの凡庸さの感覚は、コーヒーをただのコンテンツとして見たときには消えてしまうような何かだという予感があったのです。こうした意味で、私は、私の前に多くいたであろうそれを見てしまった偉大な先達たちが、それでもそのあとに歩み続けられたという事実に対し、ほとんど眩暈がするような気持ちもあったのです。
凡庸さとは何でしょうか。

凡庸であれ。凡庸であれ。

私はコーヒーの世界における、凡庸でない話ばかりが膨らむ機会に触れるたび、自分の仕事を振り返るたびに、いつもそのように唱えてきました。呪文のように唱えてきました。それは徒労感とともにあったのですが、ある人がコーヒーに対して『「正しく」凡庸であること』と記した言葉を見つけたき、とても救われる気持ちになったことがあります。

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