2人の預言者がいました。
1人目の預言者は、キミのところの焙煎機もプロバットのPになって、現代的なコーヒーに舵を切るの、と言いました。
わたしは、いいえこれで今までより、ほんの少しだけ中深煎りが焼けるようになりますよ、と答えました。
苦笑をされました。
この話はこれで終わったと思いました。
2人目の予言者は、2年後に現れました。
『(……)温度曲線か蓄熱力で上げていける焙煎機は浅煎り向きで極深煎りは不向き、排気が強くても温度上昇がスムースなものは珈琲の焙煎による表現力は多い。使いやすい焙煎機とは、蓄熱力が強くドラムが薄めで火力コントロールが素早く焙煎機に反映されるもの、使いにくい焙煎機とは調整範囲が広すぎて上手く操作しないと失敗焙煎になるもの。直感的に焙煎が見えないもの』
私はこの文章を見つけたとき、焙煎のすべての答えがあると思いました。しかし、いつかこの文章が真実をもたらす時がくるという予感からすれば、答えというよりこれは預言でした。
それからまた時はたち、2人目の預言者と何度かお話をさせていただく機会がありました。そのときは焙煎に関してというより、ほとんど「L」についての話をしました。
しかし、私はそれではじめて「P」の事がわかったのです。