バリのコーヒー栽培の基本はすべて無農薬。想像していた通り、日本国内のコーヒー本で読むようなわかりやすい農作法とはやはり違うようです。日本だとオーガニック=付加価値ですが、それこそ拝金主義の論理です。ペルーの山奥でも感じましたが、小規模農家には生産量に対する過度な貪欲さも計画性もなく、経済観念に対する内的な動機が存在しません。そもそも効果的に農薬を使うための設備もお金もありません。
集積場では、精製工程を見学させていただきました。バリはスマトラやスラウェシの独自性のあるやり方と違い、オーソドックスなウオッシュドタイプのものが主流です。バイヤーから依頼があればナチュラルやハニー、乾燥工程は随時アフリカンベッドなども受け付けています。アフリカンベッドは細かくわかれており、日陰の位置など、こちらも消費国からの依頼によって細かく分かれているそうです。天候にも左右されますが、2週間から20日くらいの天日乾燥を経て、脱殻されます。バリのアラビカは精製技術の伝達はわりと後発のものに数えられるようです。※ロブスタはナチュラルの方が多く、そのほとんどが国内消費用です。
シガラジャ・レンパサルのピッキング工場も見学。
バリ最大の集積場でした。こちらはナチュラルの天日干しの様子も見る事ができました。2週間の乾燥工程の後、機械乾燥+脱殻2回で精製されます。バリの豆は、いったんすべてジャワ島に集められ、スラバヤという港からから出荷されます。
最後にロブスタの農園。アラビカは収穫真っ最中でしたが、ロブはこの後1〜2ヶ月で収穫が本格化します。ロブの実はアラビカより小さく、葉の大きさはアラビカの2倍はあります。個人的にははじめてロブスタの実を食べましたが、チェリー感はありません。果肉の分厚さも、アラビカとは少し違う感じです。とにかく果物のような感じがしないのです。ロブスタのコピ・ルアクが多く市場に出回っている事と付き合わせると、なんとも言えない、不思議な気持ちにもなります。このチェリー(カネフォラ種)をジャコウネコが自ら本当に好んで食べているのかというと、多分に眉唾の要素があるのではないでしょうか。