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コーヒー診療所 〜石脇さんとコーヒーのプロたち〜

Posted: 2021.08.07 Category: ブログ

コーヒー診療所 〜石脇さんとコーヒーのプロたち〜イメージ1

店主です。


ここ二年ほど続けてある場所を「自身の名前を冠した居住空間」とみなし、そこにやって来る種々の人々を「歓待」(デリダ)によって受け入れようとの細やかなこころみを実施しました。きわめて曖昧かつ少なくない催し事の中、わたしがいっとうやりたかったのは田口護氏の著作に向けた「読みの試み」と、石脇智広氏の著作に向けた同様の実験でした。その二つのうちにあって、個人的な思いを込めて多くの人の来訪を所望していたところはあったというのに、結果はまったくその正反対のものでしたが。。


とくにわたしは、石脇さんについて、誰かと話してみたいのです。田口護氏ではなく、本当は石脇智広氏について、よく話してみたいのです。しかし、二年連続で各人に分配した時間にあった出来事は変わらず、また「石脇先生の時間」での来訪者数は、ただの一人さえ計上することができないものでしたから、願意は結実をみせることはありませんでした。宣告通り、わたしはただ石脇氏の著作をパラパラとめくりました。彼が(現在のところまでにおける)主著を上梓したのと同じ年齢になっているわたしが、どこまでそれと同じような水準(この言葉には注意が必要)で何か考え、ものを書きえているのか。。そんなことを考えていたら、いつのまにかうとうとしていました。(目を覚ましてから、そこまで振り返りました)。


そのときの映写状態の気分とはまるで無関係に、わたしは『コーヒー「こつ」の科学』の続きを読む機会に、それからしばらくして、突如ぶつかることになったのです。それは、期せずして訪れていた、あの時の来訪者の一人によってもたらされていた延長の時間でしたから、そのことはまったくのふいうちともいえなかったのかもしれませんが。。いずれにしても、石脇氏が代表をしている会社の公式的な窓口で「コーヒー診療所」(石脇さんとコーヒーの仲間たち)という、Q&A形式の設問の場があることを、わたしはとてもさりげなくひとから教えられたのです。読んでみると、これは、完全に『コーヒー「こつ」の科学』続編でした。わたしには完全に、そういうものに感じられました。開いていくものを見ていくうちに、わたしはコーヒーに関して、ある得体の知れない想念が跋扈する空間を、圧倒されてただひたすら眺めることになったのです。そこには型を持った人たちが形を問題にして物事を尺度の側へ戻しこむ様態と、それをいなし続ける人の涙ぐましい姿がありました。


わたしはそれが、どこかで見た何かに似ていると思いました。しかし、それが何なのかはよくわかりませんでした。そして次第に、それが何やら子供が電話をしてコーヒーのことを相談している場面だったように思い出しましたが。。あるいはそれは、ただの思い違いだったのかもしれません。


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